東京株、一時500円超安=ギリシャ懸念で急落

いよいよギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念が高まり、日経平均株価は大きく値を下げました。改めて、ギリシャ債務危機の問題と経緯を整理してみます。


そもそも同国の財政問題が発覚したのは2009年10月の政権交代時にさかのぼります。旧政権がGDP比4%であるとしてきた財政赤字が、実は13%にのぼることが露見し、債務不履行の懸念から国債の格付が相次いで急落。当然ながら株価も暴落し、ひいてはギリシャが加盟するEUの通貨・ユーロも値を下げました。


当然ながらギリシャ政府は国外に金融支援を要請するものの、同じEU加盟国とはいえ、ドイツやフランスでは回収リスクのともなう財政支援について自国民の承認を取り付けるのは難しく、各国の足並みは乱れます。


また、ポルトガル、アイルランド、イタリア(ユーロ圏第三位!)、スペイン、キプロスといった諸国にも連鎖的に債務問題が浮上し、このうちベルルスコーニ政権が退陣に追いやられたイタリアを除く各国で、欧州金融安定基金(EFSF)による金融支援プログラムが採られました。


上記の国々では、それまでユーロの持つ高い信用を背景に放漫な財政を行っており(民間給与の3倍の所得を持つ公務員が労働人口の25%を占め、日本の倍以上に当たる高額な年金を給付し、信用の高いユーロの導入によって国債金利が19%⇒3%に下がったことで借金を重ねていく、など)、リーマンショックに伴う世界的な金融危機の中で、不動産バブルや銀行危機など財政上の様々な問題が表面化します。

こうして共通通貨を持ちながら、財政政策は各国に一任されるユーロの限界が指摘される結果となりました。

結局、2012年にギリシャはユーロ側からの厳しい財政再建策を受け入れ、ドイツを中心とする欧州中央銀行(ECB)が同国の国債を無制限に購入することで妥結し、事態は沈静化したかに見えました。


しかし、それにもかかわらず再浮上している今回のギリシャ危機ですが、金融支援プログラムの終了に伴い、6月末に迫った国際通貨基金(IMF)への借入金返済期限と、7-8月に控えるECBへの国債償還を前に、またしてもデフォルト(債務不履行)の危機が高まっているというものです。

ギリシャでは増税と歳出削減によって国民に更なる負担を強いる財政政策への反発から、2015年1月の選挙で、反緊縮財政を公約に掲げるチプラス首相側が勝利。

同首相はユーロの求める年金給付額の削減や税金引き上げといった緊縮財政の要請に対し、国民の支持を背景にこれまで強気に出ていました。

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しかし、デフォルトに陥ればやがて欧州中央銀行(ECB)からの支援が打ち切られ、ギリシャの銀行は資金が枯渇して破綻し、預金の流出や企業の倒産も相次ぐことは目に見えています。

ユーロを離脱することになればハイパーインフレに突入し、ギリシャ国民の生活は惨憺たる結果となるでしょう。そうした場合でも、ギリシャ国債を保有するEU諸国の民間金融機関はほとんどないため、市場への影響は限定的とする見方もある一方、貧困を背景に、極右勢力の台頭やISILの魔の手が及ぶ政治的な窮状を危惧する声もあがっています。


そんな中、6月28日にチプラス首相は銀行業務の休止を決定しました。

7月5日に予定されている国民投票においてユーロ側の要求する財政再建案受け入れが拒否された場合、ギリシャがユーロ圏を離脱する可能性が高いと見られます(ギリシャ国債の7~8割は外国人が保持しているため、借金を踏み倒しても国内の不満は少ないのです)。

リーマンショックで痛い目を見た投資家たちがリスク回避のために株を一旦売却することで、世界的な同時株安が起こらないとも限りません。

為替レート上でもユーロの信用が揺らいで売りが進み、逆に安全資産として円が買われることで円高が進むとともに、輸出企業を中心とした株安の動きも予想されます。


近日中に開催される経済講演やセミナーでは、一流のアナリストや経済評論家によって、ギリシャの債務危機についての解説も行われるはず。依然として予断を許さない状況が続いていますが、今後の世界経済を展望するためにも、投資家の皆様は機会があれば経済講演会等へ足を運ばれることをオススメします


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