自民党総裁選が終わり、安倍首相の3選が決まった。

自民党の総裁選とはつまり、自由民主党という政党のリーダーを決めるための選挙。
現在の日本の政治では、与党第一党のリーダーが総理大臣を担うことが常になっている。

今回の一連の流れについてはNHK WEBに詳しい。

参考:NHK WEB 自民党総裁選結果


2012年の総裁選では党員表で石破氏が安倍氏を大きく引き離していた。
2012年の総裁選挙では、党員票で石破氏が40都府県で得票数のトップとなり、都道府県に割り振られた300票のうち165票を獲得。安倍氏を大きく引き離した。
今回は党員表が議員表と同数になったことでその結果が注目されていた。


結果としては安倍氏の勝利であったが、石破氏は存在感を示した。
今後、ポスト安倍として党内で影響力を増すことになるのではないかと予想されている。



ところで、総裁選の仕組みをきちんと理解できている国民がどれくらいいるだろうか。
国会議員を決める選挙を国民が行い、選ばれたのが国民の代表である国会議員である。
そしてその代表が総理大臣を決めることで、民主主義が担保されている。

しかし元大阪府知事の橋下徹氏はこれを批判している。
今回の総裁選で最後にすべき、というもので大変興味深かった。


橋下徹「なぜ今回の総裁選はいらないか」


ところが、ややこしいのは自民党という一私的団体のリーダーは、多くの場合内閣総理大臣(首相)、つまり日本国のリーダーになってしまうということなんだよね。だから自民党員だけじゃなく有権者全体の関心事になるのは当然で、ゆえに安倍さんと石破さんの徹底論戦が必要だ、というメディアやインテリの主張につながっていく。

結局、日本においては、一私的団体である自民党のリーダーを決めるプロセスと、日本の国のリーダーを決めるプロセスとの整理ができていないんだよ。

民主国のリーダーはその国の国民、すなわち有権者が決める。大統領制の国では、有権者が直接投票してリーダーを決める。日本のような議院内閣制の国では、有権者は国会議員を選び、そして国会議員が首相たるリーダーを決める。

日本の国は、現在のリーダーをいつ決めたのか。それは昨年2017年9月に行われた衆議院議員総選挙だよ。このときに安倍さんは自民党のリーダーとして選挙戦を戦い、有権者の多くは安倍自民党に所属する国会議員に一票を投じて、自民党・公明党の連立政権を誕生させ、その結果安倍さんが首相に選出された。ここで有権者の意思はしっかりと示されたんだ。

それなのに、今回の自民党総裁選という一私的団体に過ぎない政党のリーダーを決める選挙で、日本国のリーダーが変更になるとしたら、有権者としてはたまったものじゃない。2017年9月に600億円ほどかけてやった衆議院議員総選挙は何だったのか? となる。



これを読むまで気が付かなかったが、言われてみればその通り。
せっかく国民が総選挙を行って国会議員を決めて、国会議員が首相を決めたところなのに
これで総裁選の結果で石破氏に首相が変わってしまったら国民の意志に反することになってしまう。

総裁選が総理大臣選挙になってしまう現状は国民主権の前提を崩しかねないし、今後も実行しないほうがいいという意見に賛成だ。

こうした意見をテレビ、ネットと媒体問わずに発言できる橋下徹氏のような知性が求められているし、
その一方でこれだけの人材はそうそういるものではないだろうということも思う。

橋下徹氏の話はぜひ一度生で聞くべきだろう。