年間聴講100件超! 講演会マニアが経済の明日を占うブログ

1年間に100件超もの経済に関する講演を聴講している講演会マニアが、見聞きした講師の話を通じて日本経済の展望を語るブログです。

カテゴリ: 経済

マクロン氏の勝利で幕を閉じたフランス大統領選。
ゴリゴリの“極右”だった父親に対し、しなやかで、政治的センスに長けたマリーヌ・ルペンは反移民・反EUを掲げて大いに躍進を遂げましたが、決選投票では4割弱の得票にとどまりました。
仮にルペン勝利となればイギリスに続き大国がEUから離脱することになり、世界経済にとってリーマンショック以上のインパクトが予想されていたため、マーケットは一安心といったところでしょうか。

結果、39歳のマクロンがフランス史上最年少の大統領に就任。
決選投票前日には、彼の財産等に関する資料やメール等がサイバー攻撃によって流出するなど、アメリカ大統領選同様にロシアの影もちらついていましたが、フランス国民の良識は“中道”を選びました。
マクロン自身はロスチャイルド系銀行の超エリートで、かつてピケティが『21世紀の資本』で指摘した、まさに1%側の人間のため、格差をはじめとする国民の不満にどれだけ答えられるのか、その政治的手腕には懐疑的な見方も少なくありません。

また、マクロンは無所属のため、来月に控える議会選挙の結果次第では、苦しい議会運営を強いられることが予想されています。
実際、ルペンはまだ40代後半で、年齢的にも次の大統領選を十分視野に収めているはず。
仮にマクロンが失敗すれば、次こそは極右政権の誕生も現実味を帯びてきます。

一か月前は115円台だったユーロは、大統領選を経て、現在124円台と、ユーロ安の状態に。
今年の9月にはドイツ議会選挙も控えていますので、まだまだ油断はできません。
朝鮮半島の緊張も依然として続く中、投資家にとってしばらく難しい局面を迎えそうです。

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トランプ相場によって、ジョージ・ソロスが10億ドル(1140億円ほど)以上におよぶ巨額の損失を出したと報じられています。
かつてアジア通貨危機をもたらしたほどの投機的な売買手法によって知られるヘッジファンド業界の大物ですら、トランプ勝利という選挙の結果と、その後の株価上昇シナリオを読み誤ったということでしょうか。

ここで、金融業界によく使われる用語「ブラック・スワン」について解説します。

ブラック・スワンとは、文字どおり“黒い白鳥”。
かつてヘッジファンドの運用担当者でもあったナシーム・ニコラス・タレブが2006年に発表した著書『ブラック・スワン ~不確実性のリスクと本質~』によるものです。(ナタリー・ポートマン主演の映画とはまったくの別物です・・・)

かつてのヨーロッパにおいて、“白鳥は全て白い”という当たり前のように誰もが信じきっていた通説・常識が、1697年にオーストラリアで黒い白鳥が発見されたことにより根底から覆され、鳥類学会に思いもよらぬインパクトを与えたというエピソードから、金融業会では、統計や確率、それまでの経験等では予測し得ない事象(自然災害含む)がおこり、市場に多大な影響をおよぼすことを「ブラック・スワン」と呼ばれるようになりました。
そして、予測できず「ありえない」と思われていたこと、そしてそれが起きれば非常に強い影響力を持つ事象が実際に起こってしまうと、今度はそれがあたかも当然であったかのような説明が事後的に施されていくといった特徴もあるようです。

こうした「不確実性」のもたらすリスクを加味した「ブラック・スワン理論」にもとづいて投資を行うヘッジファンドもあるようです。
2016年は、ブレグジットやトランプの勝利など、大方の予想を裏切るブラック・スワン的事象が相次ぎ、「ポスト・トゥルース」という用語まで盛んに用いられましたが、今年はどうなることでしょう。
寛容さで知られるオランダで極右勢力が各日に力を伸ばした中、ル・ペンが支持を拡大しつつあるフランス大統領選、ドイツ議会選などEU存続のかかったヨーロッパ政治イベントが目白押し。

今年もこれまで多くの経済講演会や投資関連のセミナーを聴講してきましたが、リスクを取るのか、はたまたリスクを取らないことがリスクとなるのか、投資家にとっては引き続き難しい一年になりそうです。

blackswan


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トランプの大統領就任から1ヶ月以上経ちますが、まさにやりたい放題ですね。。。
この1~2月に様々な専門家の講演会を拝聴してきましたが、どこに行ってもトランプ、トランプ、トランプ・・・といった感じでした。
大統領就任後はある程度現実的な路線に落ち着くのではとの予想を鮮やかに裏切りながら、大統領令を連発し、不法移民排斥を進め、ツイッターでの企業攻撃を繰り返しています。

こうしたトランプの政策は国内外で批判を浴びる一方で、株式相場は絶好調。
IT業界を始め移民の労働力に頼る産業も多い中、法人税減税と大規模な財政出動が好感され、FRBによる更なる利上げも近づいているような気がします。
もちろん、アメリカが利上げを行えば、マイナス金利状態の日本との金利差が拡大するため、普通に行けば為替相場は円安に振れるはず。
金利の高いドルが買われ、金利の低い円が売られて円安ドル高になるというのが自然な動きです。
しかし、多額の貿易赤字の原因として中国・日本を名指しでトランプは非難しており、輸出拡大のためFRBに介入してドル安を仕掛けるのではとも見られており予断を許しません。

かと思えば、台湾を利用して「一つの中国」を支持したり、安倍首相とゴルフを楽しんだりと、トランプは上手くアメとムチを使い分けながら独自の外交を貫いています。
かねてより親ロと言われているトランプですが、ロシアは亡命していた(用済みとなった)スノーデンをアメリカに引き渡す動きもみせており、彼の行く末が気になるところですね。

そして、いよいよ、トランプは軍事力の増強にも着手しました。
金正男氏が暗殺されたことで緊張感が高まっている北朝鮮に対し、金正恩体制崩壊に向けて何らかの手段を講じる可能性もありますね。
これまで訓練を重ねてきたように、仮に韓国軍と連携して北朝鮮を制圧した場合に、韓国が「北の核」を接収してしまうと日本も一気に緊張感が高まりそうです。
もちろん、中国も黙ってはいないと思いますが・・・。

さらに、今年はヨーロッパで重要な選挙が少なくとも3つ控えています!
まずはオランダ。比較的慣用といわれるこの国で、今、極右のリーダーが一番の支持を集めている状況です。
次にフランスの大統領選。移民排斥とEU離脱を掲げる同じく極右のルペンは着実に支持を拡大しています(今のところ、決選投票で敗れるのではと見られていますが、先のブレグジットやアメリカ大統領選挙のように、何が起こるかわからないのがポスト・トゥルースのこの時代、とも言えるのではないでしょうか。
そして、フランスとともにEUの要となっているドイツの議会選挙。仮にフランス、ドイツでともにEU離脱派が多数を占めてしまったら、EUは崩壊し、世界的な恐慌につながりかねません。

今年も投資家の方々にとっては気の抜けない一年になりそうです。


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毎年、新春講演会や賀詞交換会に招かれると、政治経済系の講師が今後の展望をよく語っています。
経営者には特に今後のビジネスを占う上でも関心が高いようですね。
さて、イギリスのEU離脱やトランプ大統領の誕生など波乱の多かった2016年を踏まえ、来る2017年の国内外における政治経済の行方はどうなるのか、気になるところです。

やはり気になるアメリカですが、大規模な公共投資と法人税減税を掲げるトランポノミクスによって経済は好調になり、利上げも2~3回は行われるはず。
大統領選以降、トランプの政策への期待感から株価も値を上げていましたが、年末に来て一旦は調整のため売りが進み、その後は緩やかに上昇していくのではないでしょうか。
日米の実質金利差は拡大し、円安傾向は続くと見られています。
一方、外交面ではロシアとの関係性が改善するのに対し、対中国には強硬路線がとられると見込みで、日本・韓国の駐在米軍が縮小される中、北朝鮮を含めた東アジアと中東における安全保障にどのような影響が出るのか危惧されています。
なお、中国では習近平が権力集中に一層の舵を切る一年になりそうです。

また、イギリスのEU離脱に揺れるヨーロッパに目を移すと、オランダ、フランス、ドイツなどで大統領選や議会選挙など重要なイベントがあり、ブレグジットの流れを受け、特に極右勢力の台頭に注目が集まっています。
特にフランスではマリ-ヌ・ル・ペン率いる国民戦線がEU離脱を移民排斥を唱えて支持を拡大しており、人気作家のミシェル・ウェルベックが『服従』で描いた世界が現実味を帯びてきています。
(同作では2017年の大統領選で国民戦線が第一党になるものの、連立によってオランドが政権を維持し、そのもとで移民政策の矛盾が拡大することで、2022年にいよいよル・ペンが大統領の座に接近するのに対し、ムスリム同胞団という過激派とは異なるインテリに支えられたイスラム集団と、保守党・社会党が連立を組み、フランスにイスラム政権が誕生するという世界が描かれています)

中東では勢力を弱めつつあるISの断末魔に似たテロが各地で起こる可能性が高いなか、シリアをめぐるロシアとアメリカの姿勢に注目が集まっています。
原油価格の低迷にあえぐサウジアラビアをはじめとする各国の動向も気になります。

そして日本ですが、早期の解散はないと言われています。
というのも、都議会で自民党と公明党が袂を分かっており、小池新党が支持を集めている状況のため、すぐに解散を行うことは自民党にとって得策といえません。
とはいえ、金融政策が行き詰まりを見せるアベノミクスには、あまり打つ手がないように思えるのですが、トランプ大統領のもとでの円安傾向の恩恵を受け、成長戦略を描けないまま人口の減少する未来に構造的な不安を残しつつ、何となく景気が上向てしまうような、危険な状態に陥る気がしてなりません。
明らかに投資過多となっているオリンピック以後の反動をどう乗り切るのか、不安は尽きないですね。。。

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・不法移民阻止

・法人税減税

・大規模な公共投資

・「TPP」離脱

・(温室効果ガス削減の)「パリ協定」離脱

・銃規制強化に反対

・親露&反中路線

・日本&韓国の駐在米軍縮小(または撤退)と各国の軍事費負担増

・(医療保険制度)「オバマケア」廃止

・FRBへ介入しドル安誘導?
→但し、実質的には日米金利差の影響で円安になるとの見方あり

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