12/16 FOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長はついにアメリカの利上げを発表しました!!

今年6月、9月と先送りにされてきたものの、11月の雇用統計で失業率が5%を下回ったことを受け、約10年ぶり米利上げ(金利は0.25~0.5%に=ゼロ金利解除)が実現します。
一方、イエレン議長は、当面の間、利上げは低めに抑え、追加の利上げに慎重な姿勢も見せました。
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ロイター通信は「ドル建て債務を抱えながらも収入は自国通貨建ての新興国企業は苦戦を余儀なくされそうだ」との記事を配信しています。
今後、ドル建て債務の返済に行き詰まり、デフォルト(債務不履行)に陥る国家も増えるのではないでしょうか。
中国はさらなる資金流出の脅威にさらされることになりそうです。
利上げによって世界経済不況が加速すれば、当然それはアメリカにも波及しかねません。

ちなみに先日、某証券会社のセミナーに参加した際、講演会担当の方に実際のところアメリカ経済の先行について尋ねてみたところ、会社としての公式見解は「大丈夫」、投資チームをマネジメントする個人の見解としては「正直、不安」というものでした

経済評論家の三橋貴明氏はブログで、7月のポール・グルーグマン教授の以下の発言を引用しています。「FOMCが利上げを長く待ち過ぎれば、少しばかりのインフレが予想される。一方で、早過ぎる利上げ実施は新たな失われた10年を迎えるリスクを冒す。従って二つのリスクは極端に左右非対称だ。この状況でFOMCが利上げに意欲的なことは極めて不可解だ

現状で景気過熱の状態としてはまだ余裕のある中での早すぎる利上げは、企業の設備投資や個人の消費活動を停滞させ、景気後退に大きく影響するリスクをはらんでいます。

日本への影響として、為替面ではドルが買われて円が売られることにより、1ドル=130円台まで円安が進む見通しがある一方、円高に振れる恐れなど、実際は決して単純ではないとの見方もあるようです。
郵政3企業の同時上場に沸く日本の株価への米利上げの影響について、今回の利上げに関してはすでに市場も織り込み済みだと見る向きも多いようですね。むしろ次の更なる利上げを警戒する投資家は少なくないと思います。
ただ、利上げによって円安になれば日本の輸出企業にはプラスになりますので、全体的には上がるのではとの予測が多く、新興国不安によって下げる時期が出てくるとはいえ、最終的には2万円台を回復し、来年は2万1~2千円台にまで突入するでのは、という期待もあるようです。

いずれにせよ米利上げは2017年4月に消費増税を控える日本経済にも大きな影響を及ぼすはず。
中国、欧州と経済危機をはらんだ世界にあって一人勝ちを続けてきたアメリカ経済の行く末を見守りましょう

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