そして、先月の10/27-28に開かれたFOMCでも、やはり見送り
FRB(米国連邦準備制度理事会)のイエレン議長はかねてより、「利上げ開始はリーマンショック後のトラウマが癒えたシグナル」とその機会を図っており、エコノミストの半数も直前まで9月の利上げ発表を予想していました。
前回の記事でご案内したとおり、「利上げ」は景気が好調なしるし。今回の利上げについては、アメリカが2007年のサブプライムローン問題に起因する2008年のリーマンショックにともなう不況から完全に脱却したという象徴的な出来事であるとともに、次なるバブルへの備えでもあります。
しかし、世界の消費を牽引してきた中国株の暴落を受け、混乱を極める世界経済および金融市場への影響を懸念し、アメリカは事実上の「ゼロ金利」となる現在の金利据え置きを決めました。
一旦12月頃まで先送りされるのではという見方の一方、もはや年内の利上げは困難との見方が早くも強まっています。
(2015/12/16追記記事⇒ 【米利上げ決定!!】その影響を読む~失われた10年を迎えるリスク~)
では、なぜアメリカは現段階での利上げを見送っているのでしょうか?
アメリカ経済は堅調とはいえ、欧州や中国をはじめ世界経済は不安定ですし、仮にアメリカのGDPが減速しようものなら利上げは景気回復を阻害してしまいます。
当然ながら、自国の失業率やGDPをはじめとする経済状況を慎重に見極めたいという思惑はあるでしょう。
しかし、それ以上に世界経済への影響が憂慮されているのです。
アメリカが利上げをすると、ドルの利回りがよくなるため、当然ドルは買われやすくなります。
そうなると、中国や新興国に流れていた投資マネーが大量にアメリカへ戻ると考えられ、ただでさえ中国株暴落⇒人民元切り下げによって混乱している世界経済への影響が大きいと、現状での利上げに対する慎重論が強まっているのです。
特に、世界の基軸通貨となっているドルを通じて買われている新興国通貨への影響は計り知れません!
とはいえ、新興国への影響を気にして自国のバブルがはじけては本末転倒。
次回のFMOCは12/15-16に予定されており、そこで利上げの時期について何らかの発表があるのでしょうか。
もちろん、アメリカが利上げを行えば、その影響として、円が売られてドルが買われる円安ドル高になることが予想され、円安になると輸出の多い大企業に有利になるため、日本の株価も全体的にあがることが考えられます。
円は1ドル=125~130円ほどには安くなり、株価は少なくとも2万円台を回復するのではという見方もあるようですが、年内利上げがあるのか無いのか、投資家は引き続きFRBの動向を注視する必要がありそうです。
このブログでもセミナーや講演会等で情報を収集しつつ、引き続きアメリカの利上げに関する情報をお伝えしてまいりますね
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