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タグ:消費税増

ついに安倍首相は消費増税再延期の意向を固めたと、5/26付の朝刊各紙が報じています。
そして、5/28夜には消費税10%への引き上げ時期について2019年(平成31年)10月まで2年半再延期する方針を麻生財務大臣らに伝えたと産経新聞が速報を出しました。
消費増税延期


26日より開幕となった伊勢志摩サミットで現在の世界経済を取り巻く状況が「リーマン・ショック前に似ている」と言及。
かねてより「リーマンショックや東日本大震災クラス」のような事態が起こらない限りは消費増税を行うと表明していただけに、消費増税を再延期するための見苦しい口実として「リーマン・ショック前に似ている」という表現を用い、

「リーマン・ショック直前の洞爺湖サミットで危機の発生を防ぐことができなかった。そのてつは踏みたくない」
「世界経済は分岐点にある。政策対応を誤ると、危機に陥るリスクがあるのは認識しておかなければならない」


としながら、国際公約とされてきた消費増税が行えないのは決してアベノミクスの失敗ではなく、世界的な経済状況(外圧)によるものだと苦しいアピールをしています。
しかも、ドイツのメルケル首相が「危機」は言いすぎだろうと反応し、なんとも恥ずかしい展開に。
持ち出してきたデーターも信憑性を欠き、各国のエコノミストからは鼻で笑われ、「リーマン前」という表現は世界各国で不評を買ってしまいました。
大見得を切って景気条項を削除したばっかりに、リマーンショック級の事態であることをG7首脳を前に演出しなければならないジレンマに陥っているようです。

思い起こせばつい先日の国会で、パナマ文書に端を発する租税回避問題について、日本からケイマンへの証券投資が74兆円に及び、そこへ適正な課税を行えば消費増税はしなくていいのではないかと追及された際も、不確実な税収をあてにはできないとの理由で、改めて責任を持って消費増税を行う意向と答弁したばかりでしたが、舌の根も乾かぬうちに・・・。国会とは何なのか、考えてしまいます。

しかも、消費増税を延期する場合は国民に信を問うと、衆参同日選挙あるいは参議院選挙→衆議院選挙の可能性が現実味を帯びてきました。
もちろん、租税回避の問題や議員定数削減(現状で2020年に10削減のみ)などの課題が解消される前に、手軽な方法として消費増税が行われることは糾弾されるべきですし、そもそも現状の国内経済の停滞ぶりは2014年の消費税8%への増税という失政が主たる原因と見られる以上、この期に及んで消費税を10%にまで引き上げるという暴挙は誰も望んでおりません。
一方、この状況は明らかにアベノミクスの失敗で、野党はこぞって消費税延期をかねてより主張しているわけですし、安倍政権があたかも「英断」のように消費増税延期を争点に信を問うというのも何だか腑に落ちません。


消費税が上がり、物価も上がり、自動車税も上がり、保険料も上がり、控除を減らし・・・
実質賃金の低下にあえぐ国民の視線は、安倍政権に冷ややかであることは間違いありません(´・ω・`)


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2017年4月に控えている消費税10%への再増税に伴い、自公の政権与党内で協議が重ねられてきた軽減税率の導入について、酒類と外食を含まない飲料食品について8%据え置きとの結論に至りました。
もともも軽減税率の導入は先の衆院選時に公明党が自民党へ約束を取り付けたもの。
これにより10%への増税によって得られる税収5.6兆円のうち、実に1兆円が減少する計算となり、2016年末までに安定的な恒久財源を確保するとのこと。
これに対し、麻生財務大臣はかねてより否定的で、事業者の事務コストがかさむデメリットや、税収が減って福祉に回る金額が減るリスクを指摘。それでも「やれやれという方がいる」と公明党の影響を暗に示唆しています。

また、その他の軽減税率対象項目について新聞や書籍も検討されているようですが、一方で、(麻生大臣は「聞いていない」と言っているものの)タバコへの増税が濃厚に。1本あたり3円の増税で4500億ほどの税収見込です。
非喫煙者として個人的な痛みはないのですが、こうしたやり取りの中で、取りやすいところから取るというような安易な増税案には大きな疑問を感じてしまいます。
もちろん、パチンコをはじめとするギャンブルへの増税も当然議論されるべきなのでしょうが、この先、様々な業界団体で、政府に対し軽減税率の対象に加えてもらうよう陳情を行う動きが活発化しそうですね。
そもそも景気後退の気配漂うこの時期に10%への消費増税を行うこと自体、間違っていると思いますが、国民としては、「消費税増税の前にやることがあるでしょう」というのが素直な気持ちで、真っ先に思い浮かぶのが議員定数削減を含めた議員歳費の削減です。

現在、国会議員一人の給与は2000万前後で、秘書の給与や交通費・通信費を含む諸経費を含めると5000万を超えてきます。
現在の選挙は「一票の格差」において違憲状態にあるため議員定数の見直しは不可欠なのですが、このことは民主党との政権交代にともない安倍首相が国民に約束したことでもあります。

【証拠動画】


もちろん、議員を減らす事によって自公のように組織票をもつ大きな政党に属する議員しか当選できなくなる危険もはらんでいるため、議員数を減らすことよりも、本質的には議員歳費を1割でも2割でも削ることが重要なのだと思います。
しかし、2016年末までの「恒久財源の確保」という割には、こうした声が永田町から聞こえてこないのはいかがなものでしょうか?
TPPやマイナンバーに関する議論を含め、臨時国会も召集されないまま、国民の上空を飛行するように、自公の密室で協議が進められている印象が拭い難くあります。

そもそも消費増税は社会保障の充実化を目的として浮上した議論のはずが、慶応大学教授の金子勝氏はツイッター上で「アベの介護報酬切り下げのおかげで、1〜11月における介護事業者の倒産件数は66件で過去最高に。これから年末。まだ増えるかも。安倍政権は介護離職ゼロを掲げ、補正予算で介護施設を増やすための基金を作るが、すでに政策は破綻しています」と厳しく糾弾。
さらに、「通貨発行権を握りカネのバラマキで国民を支配する。消費税軽減税率の与党協議で、1兆円の財源確保を先送りのままで合意。参議院選挙向けのバラマキ優先で、後は野となれ山となれ。みんな日銀が引き受けてくれますから」と、政府の対応を強く非難しています。

また、明治大学の飯田泰之氏のように、「軽減税率の導入は低所得者支援策にならない」と指摘する声も多くあります。
国民としては、少子化・高齢化が深刻な以上、例えば一人親世帯(特に母子家庭)や「下流」といわれる高齢者の貧困対策として、低所得者支援を充実して欲しいと切に思います(もちろん、生活保護の不正な受給を根絶し、必要な支給を充実させる適切な審査体制の構築も必要ですが)。
法人税減税によって企業が内部留保を溜め込む一方、国家戦略として、低賃金で立場の弱い非正規雇用を大幅に増やしている現状には、とにかく疑問です。

一方、嘉悦大学の高橋洋一氏(第一次安倍内閣のブレーン)は「消費税を社会保障目的税。これをやると、社会保障を望めば増税を飲め、増税に協力しないと社会保障を削る、軽減税率には「財源」が必要だ、なしなら社会保 障を切る、など阿漕な恫喝が横行する。消費税を地方税にして軽減税率なし、社会保障は保険料+所得税、弱者対策は所得税+給付金なら筋が通る」とツイッターで述べ、多くの賛同を得ています。

消費増税をめぐる議論は、今後の経済講演会でも注目のテーマとなっていきそうですね・・・。


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