年間聴講100件超! 講演会マニアが経済の明日を占うブログ

1年間に100件超もの経済に関する講演を聴講している講演会マニアが、見聞きした講師の話を通じて日本経済の展望を語るブログです。

タグ:竹中平蔵

多くの被害者を出したスキーツアバスの事故は、小泉純一郎&竹中平蔵による規制緩和の弊害と指摘されています。
自由な競争と市場原理による弱肉強食の世界を奨励する「新自由主義」の旗のもと、様々なサービスへの新規参入が容易になったことで顧客の安全をも犠牲にする過度の価格競争に突入し、監督官庁の目も行き届かない状況にあって、基準を下回る条件を迫られる立場の弱い下請け零細企業と、過酷な業務を強いられるその労働者の負担が増大する結果となってしまいました。

そんな中、1/22に安倍首相が行う施政方針演説で「同一労働同一賃金」の実現を掲げるようですね。
ここでもやはり、かねてより「正社員は守られすぎている」と声高に叫んできた竹中平蔵氏の影響が強いのではないでしょうか。
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近頃になって開き直り「トリクルダウンは起きない」と発言したことでも知られる竹中氏。

かつて本ブログでも「」ならびに「」という記事で紹介したとおり、人材派遣大手・パソナグループの会長を務める竹中平蔵氏は、同時に政府の産業競争力会議のメンバーとして、「雇用期間制限をはじめとする派遣法の規制緩和や、労働移動支援助成金の引き上げ(従業員の転職・再就職支援に協力する企業への補助金を増やす)を推進し、間接的な正社員のリストラ促進策を主導してきたことで知られています。

政府の産業競争力会議でも「労働移動型の解雇ルールへのシフト は大変重要。判例に委ねられているのは、ルールとして不明確であり、明文化すべき。金銭解決を含む手続きの明確化することが必須である。早急に議論を煮詰 めていくことが必要である。雇用調整助成金を大幅に縮小して、労働移動に助成金を出すことは大変重要。是非大規模にやって欲しい。今は、雇用調整助成金と 労働移動への助成金の予算額が1000:5くらいだが、これを一気に逆転するようなイメージでやっていただけると信じている。」と、自身が会長を務める人材派遣会社に利する発言を堂々と行っています。

この先、正社員の待遇改悪によって不安定な非正規雇用労働者を世にあふれさせ、中間層の没落を招きかねない「同一労働同一賃金」政策。
(もし講演会を直近でされるのであれば、竹中平蔵氏が何を語るのか、逆に興味があります・・・)

「女性の活躍」「一億総活躍」などのお題目が唱えられていますが、妊娠を期に退職し、離婚に至った女性はこうした非正規雇用に就く割合が多く、その貧困が社会問題となっています。
果たして、多くの女性が安心して子どもを産み育てられる環境が整うかは甚だ疑問です(´・ω・`)


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前回を踏まえ、今回はいよいよ竹中平蔵氏のピケティ評をご紹介いたします!

ダイヤモンド誌の記事の中で竹中氏はまず、「ピケティの議論は精緻ですが、資本収益率も、資本が積み上がればどこかでサチュレート(飽和)する。 単純に増えていくことはないんじゃないですか。 ただピケティは、今、世界で起きている問題について、非常に重大な警鐘を鳴らしています。 世界でグロー バル化が進み、新たなフロンティアが生じていますが、そこに入れるかどうかで、絶望的な格差が生じている」とした上で、『21世紀の資本』への支持率は70%と答えています。

さらに、日本でも規制緩和に取り組んで1人当たりのGDPを引き上げる必要があり、同時に政府は貧困の実態調査に乗り出すべきとのこと。
そして、とりわけ30代における格差が深刻であるとして、以下のように述べられています。
ちょっと長いのですが、引用しますね。

「格差を考える上で重要なのが30代です。消費税増税後、GDPもマイナスになりましたが、中でも30代の消費マインドが大きく落ちている。就職氷河期を経てきた彼らの多くは、自身が望んだ仕事に就けず、技能も育っていないし、所得も低い人が多い。
 要因の一つは、正規と非正規社員の格差です。今、非正規の割合が年々増加している。これは競争ではなく、制度によって生まれた格差です。だから、正規も非正規も同一条件にすればいい。オランダはそれを実現しました。
 なぜ日本でできないのか。一部の大企業の正社員が守られすぎているからなんですね。彼らの労働組合の組織率は2割を切っているのに、労働者の代表として政府と政策の議論をしている。既得権者たちが今の制度を守っているのです」


ここで竹中氏は、非正規社員の待遇改善というよりも正規社員の待遇改悪を指向しているようです。
前回もご紹介したように、人材派遣大手・パソナグループの取締役会長でもある竹中氏は、派遣法の規制緩和を推進しています。主婦を中心とする女性や高齢者、障害者の労働のありかたについて多様性を掲げつつ、非正規社員への間口を広げる考えです。

もちろん、かつて藻谷浩介氏が『デフレの正体』で説いたように、日本では少子化・高齢化にともなう生産年齢人口の減少が内需の縮小につながっている以上、子持ちの主婦層がある程度自由に働ける環境を整えることで、消費やGDPは改善されるはず。
一方で、正規社員の待遇を下げ、若者を中心として安定に欠く非正規社員が増えてしまえば、たとえ主婦がパートで働きやすくなったとしても、経済的に安心して子どもを産み育てられる家庭環境が整わず、少子化は加速するに違いありません!

ピケティが『21世紀の資本』で明らかにしたのは、経済成長率が低い時こそ、資本家が投資等によって得る収益率の割合が増えるということ。日本でも最富裕層の10%が国民所得の実に4割を占めており、竹中氏が熱心に説いている上記のような政策は、ピケティのいう格差縮小や富の再分配に対する根本的な解決にはなりません。

トリクルダウン理論によって注がれた富は大企業や投資家といった富裕層が存分に享受しており、下層へ滴り落ちるどころかむしろ、海外の投資家へ吸い取られる一方です。
こうして最富裕層の富は蓄えられ、むしろ増え続ける中で、残ったカスカスの富を、下層においてのみ平均化するといった方向に進んでいるように思えてしまいます。

社会保障費確保のために消費増税が実施された一方、いつの間にやら2015年度の軍事費が過去最高の5兆円 となりました。安倍首相は衣の下の鎧が丸見えの状態で、自衛隊内部からは文官統制を廃止する法案作成の危険な動きも見られる中、貧困者の就職先として、自衛隊が大きな選択肢にならないような社会を切に望みます。

さて、なるべく中立な立場から始めようとした本ブログですが、このところどうしても現政権に対する疑問を書き連ねてしまいがちなので、「利益相反」といわれないように気をつけて参りますね


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 <↓パソナ会長の肩書きは出さない所がポイントなんでしょうか・・・>
竹中平蔵 ピケティ

これまで氏、氏、氏がそれぞれピケティ『21世紀の資本』をどのように受け止めているかをお伝えしてきましたが、これから2回に渡り、同じくダイヤモンド誌のピケティ特集から竹中平蔵氏のコメントを紹介いたします!

そこで今回はまず、竹中氏をめぐる様々な背景を整理しようと思います。

竹中平蔵氏といえば、かつて小泉政権時代に竹中プランと称される不良債権処理を推し進め、構造改革の陣頭指揮をとったことで有名ですが、その流れを汲む現安倍政権下でも、産業競争力会議や国家戦略特別区域諮問会議のメンバーに名を連ね、アベノミクスの一翼を担っています。
今や経済関連の講演会講師としては、最も“大物”といえるのではないでしょうか。
慶應義塾大学の総合政策学部等で教鞭をとるほか、人材派遣大手・パソナグループの取締役会長を務めていることもよく知られていますね。

民間の人材派遣会社の現会長が、雇用期間制限をはじめとする派遣法の規制緩和や、労働移動支援助成金の引き上げ(従業員の転職・再就職支援に協力する企業への補助金を増やすという点で、間接的な正社員のリストラ促進策とも見られています。従来は従業員の転職が成功した場合にのみ企業へ40万円が支給されていましたが、この上限を60万円に引き上げるとともに、転職できない場合でもその転職先探しを人材サービスなどの再就職支援会社に依頼するだけで10万円の補助金が出るようになり、人材サービス会社が潤うことになりました)など、国の雇用政策の意思決定に関与しているという実情については、「利益誘導」「利益相反」(中立の立場を超えて一方の利益を犠牲にし、もう一方の利益につながるよう便宜を図ること)との批判も多いようです。

もちろん本人はあくまで有識者として会議に参加していると、この「利益相反」を否定していますが、
例えば第4回産業競争力会議において、「労働移動型の解雇ルールへのシフトは大変重要。判例に委ねられているのは、ルールとして不明確であり、明文化すべき。金銭解決を含む手続きの明確化することが必須である。早急に議論を煮詰めていくことが必要である。雇用調整助成金を大幅に縮小して、労働移動に助成金を出すことは大変重要。是非大規模にやって欲しい。今は、雇用調整助成金と労働移動への助成金の予算額が1000:5くらいだが、これを一気に逆転するようなイメージでやっていただけると信じている。」と発言し、実際に上記の労働移動支援助成金が2億円から300億円にまで一挙に引き上げられたことで、再就職を支援する人材サービス会社へ巨額の税金が流れたという経緯があります。

ネットでも三橋貴明氏とのバトルが話題となりました。

また、パソナといえば、記憶に新しいASKAさんの事件でも浮き彫りになった政官接待のゴニョゴニョゴニョ・・・ ゴニョゴニョゴニョ・・・

そんな竹中平蔵氏は、ピケティの説く格差拡大についてどのように見ているのでしょうか。

また、ピケティが池上彰氏とのインタビューでも語っていたように、「日本では労働市場の仕組みが若い人に厳しい。パートや非正規の人が増えており、待遇が良くない。日本でも、欧州でも、若い人に希望を与える政策をとることが重要です」といった若者の雇用のあり方について、常々「正社員が守られすぎている」と説いてきた竹中氏がどのような意見をお持ちなのか、気になりますよね。


どうも現政権の政策は、格差の上でボトムアップをはかるというよりも、中間層を叩き落すような方向に進んでいるような気がしてならないのですが、ここまででかなり長くなってしまいましたので、竹中氏のピケティに関するコメント詳細は次回に改めさせて頂きます!
I'll be back soon


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