年間聴講100件超! 講演会マニアが経済の明日を占うブログ

1年間に100件超もの経済に関する講演を聴講している講演会マニアが、見聞きした講師の話を通じて日本経済の展望を語るブログです。

タグ:経済

明けましておめでとうございます。
世界同時株安という異常事態から始まった2016年。

初日から中国市場はいきなり取引停止が発動されて為替介入(AIIBもどうなることやら・・・)、東京市場は582円安、アメリカのニューヨーク・ダウ平均も一時400ドル以上値を下げ、欧州市場も低調です。
世界同時株安


年末に利上げに踏み切ったアメリカですが、堅調といわれていた景気に暗雲の気配が漂っており、段階的な利上げは3回できればいいほうではないでしょうか。
11月には大統領選挙も行われますが、共和党ではトランプ氏という悪い冗談のような人が保守層の支持を集めており、民主党のヒラリー・クリントン氏との争いになる模様。TPPにも影響がありそうです。

また、アメリカの利上げによって新興国経済に深刻な打撃と予想されていたのですが、ここにきて産油国のイランとサウジアラビアを中心とするスンニー派中東諸国との関係が悪化し、対イスラム国への連携にも支障をきたすなど、アラビア半島の地政学的なリスクが高まっています
実質賃金が上がらない中でも原油安によってかなり救われていた日本経済ですが、今後は原油価格の高騰にも注意しなければなりません。

国内では、消費増税を控える今年、夏の参院選や、2017年4月に予定されている消費増税を前に、衆院選挙も噂されていますね。18歳以上選挙権がどう影響するかも注目です。

今年も様々なセミナーや講演会で仕入れた、経済に関する最新情報をご紹介させていただきますので、宜しくお願いします


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12/16 FOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長はついにアメリカの利上げを発表しました!!

今年6月、9月と先送りにされてきたものの、11月の雇用統計で失業率が5%を下回ったことを受け、約10年ぶり米利上げ(金利は0.25~0.5%に=ゼロ金利解除)が実現します。
一方、イエレン議長は、当面の間、利上げは低めに抑え、追加の利上げに慎重な姿勢も見せました。
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ロイター通信は「ドル建て債務を抱えながらも収入は自国通貨建ての新興国企業は苦戦を余儀なくされそうだ」との記事を配信しています。
今後、ドル建て債務の返済に行き詰まり、デフォルト(債務不履行)に陥る国家も増えるのではないでしょうか。
中国はさらなる資金流出の脅威にさらされることになりそうです。
利上げによって世界経済不況が加速すれば、当然それはアメリカにも波及しかねません。

ちなみに先日、某証券会社のセミナーに参加した際、講演会担当の方に実際のところアメリカ経済の先行について尋ねてみたところ、会社としての公式見解は「大丈夫」、投資チームをマネジメントする個人の見解としては「正直、不安」というものでした

経済評論家の三橋貴明氏はブログで、7月のポール・グルーグマン教授の以下の発言を引用しています。「FOMCが利上げを長く待ち過ぎれば、少しばかりのインフレが予想される。一方で、早過ぎる利上げ実施は新たな失われた10年を迎えるリスクを冒す。従って二つのリスクは極端に左右非対称だ。この状況でFOMCが利上げに意欲的なことは極めて不可解だ

現状で景気過熱の状態としてはまだ余裕のある中での早すぎる利上げは、企業の設備投資や個人の消費活動を停滞させ、景気後退に大きく影響するリスクをはらんでいます。

日本への影響として、為替面ではドルが買われて円が売られることにより、1ドル=130円台まで円安が進む見通しがある一方、円高に振れる恐れなど、実際は決して単純ではないとの見方もあるようです。
郵政3企業の同時上場に沸く日本の株価への米利上げの影響について、今回の利上げに関してはすでに市場も織り込み済みだと見る向きも多いようですね。むしろ次の更なる利上げを警戒する投資家は少なくないと思います。
ただ、利上げによって円安になれば日本の輸出企業にはプラスになりますので、全体的には上がるのではとの予測が多く、新興国不安によって下げる時期が出てくるとはいえ、最終的には2万円台を回復し、来年は2万1~2千円台にまで突入するでのは、という期待もあるようです。

いずれにせよ米利上げは2017年4月に消費増税を控える日本経済にも大きな影響を及ぼすはず。
中国、欧州と経済危機をはらんだ世界にあって一人勝ちを続けてきたアメリカ経済の行く末を見守りましょう

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2017年4月に控えている消費税10%への再増税に伴い、自公の政権与党内で協議が重ねられてきた軽減税率の導入について、酒類と外食を含まない飲料食品について8%据え置きとの結論に至りました。
もともも軽減税率の導入は先の衆院選時に公明党が自民党へ約束を取り付けたもの。
これにより10%への増税によって得られる税収5.6兆円のうち、実に1兆円が減少する計算となり、2016年末までに安定的な恒久財源を確保するとのこと。
これに対し、麻生財務大臣はかねてより否定的で、事業者の事務コストがかさむデメリットや、税収が減って福祉に回る金額が減るリスクを指摘。それでも「やれやれという方がいる」と公明党の影響を暗に示唆しています。

また、その他の軽減税率対象項目について新聞や書籍も検討されているようですが、一方で、(麻生大臣は「聞いていない」と言っているものの)タバコへの増税が濃厚に。1本あたり3円の増税で4500億ほどの税収見込です。
非喫煙者として個人的な痛みはないのですが、こうしたやり取りの中で、取りやすいところから取るというような安易な増税案には大きな疑問を感じてしまいます。
もちろん、パチンコをはじめとするギャンブルへの増税も当然議論されるべきなのでしょうが、この先、様々な業界団体で、政府に対し軽減税率の対象に加えてもらうよう陳情を行う動きが活発化しそうですね。
そもそも景気後退の気配漂うこの時期に10%への消費増税を行うこと自体、間違っていると思いますが、国民としては、「消費税増税の前にやることがあるでしょう」というのが素直な気持ちで、真っ先に思い浮かぶのが議員定数削減を含めた議員歳費の削減です。

現在、国会議員一人の給与は2000万前後で、秘書の給与や交通費・通信費を含む諸経費を含めると5000万を超えてきます。
現在の選挙は「一票の格差」において違憲状態にあるため議員定数の見直しは不可欠なのですが、このことは民主党との政権交代にともない安倍首相が国民に約束したことでもあります。

【証拠動画】


もちろん、議員を減らす事によって自公のように組織票をもつ大きな政党に属する議員しか当選できなくなる危険もはらんでいるため、議員数を減らすことよりも、本質的には議員歳費を1割でも2割でも削ることが重要なのだと思います。
しかし、2016年末までの「恒久財源の確保」という割には、こうした声が永田町から聞こえてこないのはいかがなものでしょうか?
TPPやマイナンバーに関する議論を含め、臨時国会も召集されないまま、国民の上空を飛行するように、自公の密室で協議が進められている印象が拭い難くあります。

そもそも消費増税は社会保障の充実化を目的として浮上した議論のはずが、慶応大学教授の金子勝氏はツイッター上で「アベの介護報酬切り下げのおかげで、1〜11月における介護事業者の倒産件数は66件で過去最高に。これから年末。まだ増えるかも。安倍政権は介護離職ゼロを掲げ、補正予算で介護施設を増やすための基金を作るが、すでに政策は破綻しています」と厳しく糾弾。
さらに、「通貨発行権を握りカネのバラマキで国民を支配する。消費税軽減税率の与党協議で、1兆円の財源確保を先送りのままで合意。参議院選挙向けのバラマキ優先で、後は野となれ山となれ。みんな日銀が引き受けてくれますから」と、政府の対応を強く非難しています。

また、明治大学の飯田泰之氏のように、「軽減税率の導入は低所得者支援策にならない」と指摘する声も多くあります。
国民としては、少子化・高齢化が深刻な以上、例えば一人親世帯(特に母子家庭)や「下流」といわれる高齢者の貧困対策として、低所得者支援を充実して欲しいと切に思います(もちろん、生活保護の不正な受給を根絶し、必要な支給を充実させる適切な審査体制の構築も必要ですが)。
法人税減税によって企業が内部留保を溜め込む一方、国家戦略として、低賃金で立場の弱い非正規雇用を大幅に増やしている現状には、とにかく疑問です。

一方、嘉悦大学の高橋洋一氏(第一次安倍内閣のブレーン)は「消費税を社会保障目的税。これをやると、社会保障を望めば増税を飲め、増税に協力しないと社会保障を削る、軽減税率には「財源」が必要だ、なしなら社会保 障を切る、など阿漕な恫喝が横行する。消費税を地方税にして軽減税率なし、社会保障は保険料+所得税、弱者対策は所得税+給付金なら筋が通る」とツイッターで述べ、多くの賛同を得ています。

消費増税をめぐる議論は、今後の経済講演会でも注目のテーマとなっていきそうですね・・・。


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衝撃のニュースが飛び込んできました!
国民が汗水流して納める年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)。
GPIFは130兆円もの資金を有しているのですが、アベノミクスの一環で株式投資への比率をかつての13%から25%ほどにまで引き上げています。
総理就任以来、景気が生命線の安倍政権ですが、ピンチになれば巨額の年金資金を投じて株価を吊り上げ、好景気を装うこともできるのです。

そして本日11/30、株式投資の損失により、年金が2015年7-9月の僅か3ヶ月で7.8兆円も失われたことが判明しました!!!

平成27年度第2四半期運用状況[PDF:718KB]

無題

上海市場のバブル崩壊の影響は大きく、四半期の赤字額としては過去最大となる巨額の損失。
最終的な損益がプラスになればよいとか、競馬やパチンコみたいな話では決してありません!!
株価は戻ってきているとはいえ、慶應義塾大学経済学部教授の金子勝氏は、「日銀は9月末以降、失敗を粉飾するために、必死に株価下支えのために国債約15兆円とETFを2200億円を買い増し。どこまで続くインチキなアベノミクス失敗隠し」とツイッター上で厳しく批判しています。

きっとこのまま、責任の所在はうやむやにされてしまうのでしょう。
国民の間には怒りの声が広まっています!!

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去る2015/9/16-17に開催されたアメリカの米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げ見送りが決定されました。
そして、先月の10/27-28に開かれたFOMCでも、やはり見送り

FRB(米国連邦準備制度理事会)のイエレン議長はかねてより、「利上げ開始はリーマンショック後のトラウマが癒えたシグナル」とその機会を図っており、エコノミストの半数も直前まで9月の利上げ発表を予想していました。
前回の記事でご案内したとおり、「利上げ」は景気が好調なしるし。今回の利上げについては、アメリカが2007年のサブプライムローン問題に起因する2008年のリーマンショックにともなう不況から完全に脱却したという象徴的な出来事であるとともに、次なるバブルへの備えでもあります。

しかし、世界の消費を牽引してきた中国株の暴落を受け、混乱を極める世界経済および金融市場への影響を懸念し、アメリカは事実上の「ゼロ金利」となる現在の金利据え置きを決めました。
一旦12月頃まで先送りされるのではという見方の一方、もはや年内の利上げは困難との見方が早くも強まっています。
(2015/12/16追記記事⇒ 

FRB イエレン議長


では、なぜアメリカは現段階での利上げを見送っているのでしょうか?
アメリカ経済は堅調とはいえ、欧州や中国をはじめ世界経済は不安定ですし、仮にアメリカのGDPが減速しようものなら利上げは景気回復を阻害してしまいます。
当然ながら、自国の失業率やGDPをはじめとする経済状況を慎重に見極めたいという思惑はあるでしょう。
しかし、それ以上に世界経済への影響が憂慮されているのです。

アメリカが利上げをすると、ドルの利回りがよくなるため、当然ドルは買われやすくなります。
そうなると、中国や新興国に流れていた投資マネーが大量にアメリカへ戻ると考えられ、ただでさえ中国株暴落⇒人民元切り下げによって混乱している世界経済への影響が大きいと、現状での利上げに対する慎重論が強まっているのです。
特に、世界の基軸通貨となっているドルを通じて買われている新興国通貨への影響は計り知れません!

とはいえ、新興国への影響を気にして自国のバブルがはじけては本末転倒。
次回のFMOCは12/15-16に予定されており、そこで利上げの時期について何らかの発表があるのでしょうか。
もちろん、アメリカが利上げを行えば、その影響として、円が売られてドルが買われる円安ドル高になることが予想され、円安になると輸出の多い大企業に有利になるため、日本の株価も全体的にあがることが考えられます。
円は1ドル=125~130円ほどには安くなり、株価は少なくとも2万円台を回復するのではという見方もあるようですが、年内利上げがあるのか無いのか、投資家は引き続きFRBの動向を注視する必要がありそうです。
このブログでもセミナーや講演会等で情報を収集しつつ、引き続きアメリカの利上げに関する情報をお伝えしてまいりますね

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